独立行政法人国立病院機構 下志津病院 千葉県四街道市鹿渡934-5

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当院では四街道市の委託事業としての定期接種(千葉県内定期予防接種の相互乗り入れ事業により他の自治体の住民も可)、及び、任意接種もおこなっています。

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ご予約・お問い合わせは 13:30~16:00 土日祝日、および 年末年始を除く
電話番号(直通) 043-422-3513 または、医事窓口まで
※接種料金については変更となる場合がありますので、予約時にご確認下さい。

近年予防接種スケジュールはめまぐるしく変わっています。特に乳児期に接種するワクチンの数は非常に多くなり、スケジュールが複雑になっていますので、接種もれのないように注意しましょう。同時に複数の種類を接種することで、接種漏れを防いだり、通院の回数を減らしたりすることも可能です。

小児の予防接種

小児・成人の予防接種

高齢者肺炎球菌の予防接種

①「ワクチンを受ける」ということ

 ワクチンの目的

  1. 自分がかからないために
  2. かかっても軽くすませるために
  3. 周りの人にうつさないために

ワクチンの対象となっている疾患の特徴

  • 感染力が強い
  • 発症すると有効な治療法がない、あるいは死亡率が高い・後遺症を残す頻度が高い

なぜ  今 子ども 成人も 高齢者も  ワクチンをしっかり受けることが重要か

  • <子ども>
  •  共働き家庭が多く、低年齢からの集団保育が多い
     薬剤耐性菌が増えていて、抗菌薬による治療が難しくなってきている
  • <成人>
  •  自然流行が減り免疫の少ない成人が増加→成人の風しんなどが増えている
     (妊婦さんが風疹→重い障害をもつ「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが生まれる)
     (健康成人は感染による免疫反応が強く重症化→水痘の死亡率は小児の数十倍)
  • <高齢者>
  •  高齢者の肺炎による死亡が増えている(H25年日本人の死亡原因の第3位)
     小児のワクチン定期接種化により免疫活性化の機会が減少 (水痘-帯状疱疹)
     免疫を抑制する治療を受けている人が増えている
     基礎疾患を抱えながら生活している人が増えている
     薬剤耐性菌が増えていて、抗菌薬による治療が難しくなってきている

なぜ  多くの人たちが  ワクチンを受けることが大切か

病気をなくすことができる予防接種により天然痘は地球上から根絶された!
流行を予防することができる「集団免疫」といわれる効果

予防接種を受けるということは

その方が病気に罹らず健康でいられるようにするのと同時に、
その方の家族や友人、将来生まれる子供達の健康をも守ることになります




② ワクチンの種類:生ワクチン不活化ワクチントキソイド

<生ワクチン>

生きたウイルスや細菌の病原性(毒性)を、症状が出ないように極力抑えて、免疫が作れるぎりぎりまで弱めた製剤です。自然感染と同じ流れで免疫ができるので、1回の接種でも充分な免疫を作ることができます。ただ、自然感染より免疫力が弱いので、5~10年後に追加接種したほうがよいものもあります。ワクチンの種類によっては、2~3回の接種が必要なものもあります。副反応としては、もともとの病気のごく軽い症状がでることがあります。

該当する疾患(ワクチン)

ロタ、結核(BCG)、麻しん(MR)、風しん(MR)、おたふくかぜ、水痘(水痘-帯状疱疹)など

<不活化ワクチン>

ウイルスや細菌の病原性(毒性)を完全になくして、免疫を作るのに必要な成分だけを製剤にしたものです。接種しても、その病気になることはありませんが、1回の接種 では免疫が充分にはできません。ワクチンによって決められた回数の接種が必要です。

該当する疾患(ワクチン)

B型肝炎・ヒブ・肺炎球菌・百日咳(3種混合/4種混合)・ポリオ(4種混合)・日本脳炎・インフルエンザ、帯状疱疹 (水痘-帯状疱疹)など、ヒトパピローマ(HPV)

<トキソイド>

感染症によっては細菌の出す毒素が、免疫を作るのに重要なものもあります。この毒素の毒性をなくし、免疫を作る働きだけにしたものがトキソイドです。(不活化ワクチンとほとんど同じです。)

該当する疾患(ワクチン)

ジフテリア(3種混合/4種混合)、破傷風(3種混合/4種混合)など


生ワクチン ウイルス 麻疹(M)、風疹(R)、水痘(水痘-帯状疱疹)、ロタ(1価・5価)、おたふくかぜ
細 菌 BCG
不活化ワクチン ウイルス ポリオ(IPV)、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎、ヒトパピローマ(HPV)、帯状疱疹(水痘-帯状疱疹)
細 菌 肺炎球菌(23価・13価)、百日咳(P)、インフルエンザ菌B型(Hibヒブ)
トキソイド 毒素 ジフテリア(D)、破傷風(T)
混合ワクチン DPT-IPV、DPT、DT、MR

麻疹:Measles  風疹:Rubella  百日咳:Pertussis  ジフテリア:Diphtheria  破傷風:Tetanus
水痘と帯状疱疹はどちらも同じ「水痘-帯状疱疹ウイルス」

定 期 任 意
A 類 B 類
ワクチン B型肝炎・ロタ・4種混合、ヒブ、小児肺炎球菌(13価)、B型肝炎(母子感染予防以外)、BCG、MR、水痘、日本脳炎、2種混合 など 高齢者インフルエンザ・高齢者肺炎球菌(23価) ・ ヒトパピローマ(HPV) おたふくかぜ、肺炎球菌(23価、13価)、帯状疱疹など
努力義務・国からの勧奨の違い 「集団防衛」として接種努力義務あり国が積極的に勧奨 「個人防衛」として接種努力義務なし国の積極的勧奨なし 「個人防衛」として接種努力義務なし国の積極的勧奨なし
費用負担 ほとんどの自治体で全額公費 ほとんどの自治体で3割程度が公費 全額自費(自治体により一部補助あり)
健康被害発生時の
補償制度
予防接種健康被害救済制度 予防接種健康被害救済制度 医薬品副作用被害救済制度
死亡時補償額 4,210万円 701万円 701万円


<定期接種>

「定期接種」のワクチンは国が接種を定めた時期(年齢)であれば、公費補助を受けて予防接種が受けられます。ただし、補助を受けられる時期や金額は地方自治体に任されているので、地域によって補助を受けられる時期が異なる場合や、多少実費がかかる場合もあります。

「定期接種(A類疾病)」については、対象者が予防接種を受けるよう努めなければならない(「努力義務」がある)とされており、対象疾患としては麻疹、風疹、百日咳、ポリオなどがあります。感染力が非常に強い物が多く、発病すると重症になったり、後遺症を残したりする可能性の高い病気です。

「定期接種(B類疾病)」である高齢者インフルエンザ・高齢者肺炎球菌の予防接種は「定期接種」でもB 類疾病に分類されており、予防接種の努力義務はありません。ただし、対象者の健康を守るために、是非とも接種しておきたいものです。



<任意接種>

「任意接種」のワクチンは自費で受けることになっています。ただし自治体によっては補助を受けられる場合もあります。

「任意接種」は、現在のところ定期接種に含まれていない、おたふくかぜなどの予防接種が該当します。また「定期接種」のワクチンであっても、定められた時期(年齢)以外の場合に「任意接種」として受けることができます。「定期接種ではない」から「怖くない病気」というわけでもなく注①、「定期接種の年齢をすぎてしまった」から「もう打たなくてもいい」という訳でもありません注②。多くの人が接種することで「集団免疫」の効果注③も期待できるので、より多くの人の接種が望まれます。

注①
おたふくかぜは合併症として難聴をきたすことがあり、これは一生治ることのない障害として残ります。他にも、髄膜炎・精巣炎・心筋炎など多彩な合併症を起こす場合があり、世界の多くの国では「定期接種」となっています。

注②
出産を希望している女性とその同居家族の方(特にH2年4/1までに出生している方)は、風疹の罹患歴があるか、充分な抗体価があることが確認できている場合を除き、「任意接種」としてワクチンを受けることが推奨されています。これから生まれる赤ちゃんが、重い障害を持って生まれてくる「先天性風疹症候群」となることを予防するためです。「任意接種」ではありますが、例えば四街道市では、H27年度は費用の補助が受けられるようになっています。

注③
麻疹はワクチンを95%以上の高い接種率で2回すれば流行が阻止される = 「集団免疫」の効果です。ワクチンを未接種の人も、流行から守られます。