独立行政法人国立病院機構 下志津病院 千葉県四街道市鹿渡934-5

障害児(者)の虐待防止に関わる倫理綱領・障害者虐待防止のための指針

障害児(者)の虐待防止に関わる倫理綱領

独立行政法人国立病院機構 下志津病院

  1. 生命の尊厳
  2. 私たちは、障害児(者)一人ひとりをかけがえのない存在として尊び大切にします。

  3. 個人の尊厳
  4. 私たちは、障害児(者)の人間としての個性、主体性、可能性を尊びます。

  5. 人権の擁護
  6. 私たちは、障害児(者)に対する、いかなる差別、虐待、人権侵害も許さず、人としての権利を擁護します。

  7. 社会への参加
  8. 私たちは、障害児(者)が年齢、障害の状態などにかかわりなく、社会を構成する一員として日常生活及び社会生活が送れるよう支援します。

  9. 専門的な支援
  10. 私たちは、自らの専門的役割と使命を自覚し、絶えず研鑽を重ね、障害児(者)一人ひとりが豊かな生活を実感し、充実した人生を送れるよう支援し続けます。


障害者虐待防止のための指針

1 障害者虐待の防止に関する基本的考え方

虐待は個人の尊厳の保持や、人格の尊重に深刻な影響を及ぼす可能性が極めて高く、虐待の防止のために必要な措置を講じなければならない。

当院では、利用者への虐待は、人権侵害であり、犯罪行為であると認識し、障害者虐待防止法に基づき、障害者虐待の禁止、予防及び早期発見を徹底するため、本指針を策定し、全ての職員は本指針に従い、業務にあたることとする。

2 虐待の定義

  1. 身体的虐待
  2. 暴力的行為等で利用者の身体に外傷や痛みを与える又はそのおそれのある行為を加えること。また、正当な理由なく身体を拘束すること。

  3. 介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)
  4. 意図的であるか、結果的であるかを問わず、行うべきサービスの提供を放棄又は放任し、利用者の生活環境や身体・精神状態を悪化させること。

  5. 心理的虐待
  6. 脅しや侮辱等の言葉や威圧的な態度、無視、嫌がらせ等によって利用者に精神的、情緒的な苦痛を与えること。

  7. 性的虐待
  8. 利用者にわいせつな行為をすること。又は利用者にわいせつな行為をさせること。

  9. 経済的虐待
  10. 利用者の合意なしに財産や金銭を使用し、本人の希望する金銭の使用を理由なく制限すること。

3 人権擁護委員会その他事業所内の組織に関する事項

当院では、虐待及び虐待と疑われる事案(以下「虐待等」という。)の発生の防止等に取り組むにあたって「人権擁護委員会」を設置するとともに、虐待防止に関する措置を適切に実施するための担当者を定めることとする。

  1. 設置の目的
  2. 虐待等の発生の防止・早期発見に加え、虐待等が発生した場合はその再発を確実に防止するための対策を検討するとともに、虐待防止に関する措置を適切に実施する。

  3. 人権擁護委員会の構成委員
    • 委員長は病院長が務める。
    • 委員会の委員は、副院長、外部委員、事務部長、看護部長、医療安全管理室長、療育指導科長、管理課長、企画課専門職、療育指導室長、医療安全係長、1・3・5・6・7・8・10・11病棟看護師長、地域医療連携室職員、FAST担当者、主任児童指導員とする。
  4. 人権擁護委員会の開催
    • 委員会は、委員長の招集により年1回以上開催する。
    • 虐待事案発生時等、必要な際は、随時委員会を開催する。
  5. 人権擁護委員会の審議事項
    1. ① 虐待に対する基本理念、行動規範等及び職員への周知に関すること
    2. ② 虐待防止のための倫理綱領、指針等の整備に関すること
    3. ③ 職員の人権意識を高めるための研修計画策定に関すること
    4. ④ 虐待予防、早期発見に向けた取組に関すること
    5. ⑤ 虐待が発生した場合の対応に関すること
    6. ⑥ 虐待の原因分析と再発防止策に関すること
  6. 障害者虐待防止の担当者の選任
  7. 障害者虐待防止に関する苦情受付担当者は、療育指導室長、医事専門職とする。 人権擁護担当者は、各病棟看護師長とする

4 障害者虐待の防止のための職員研修に関する基本方針

職員に対する権利擁護及び障害者虐待防止のための研修は、基礎的内容等の適切な 知識を普及・啓発するものであるとともに、権利擁護及び虐待防止を徹底する内容とし、以下のとおり実施する。

  1. 定期的な研修の実施(年1回以上)
  2. 新任職員への研修の実施
  3. その他必要な教育・研修の実施
  4. 実施した研修についての実施内容(研修資料)及び出席者の記録と保管

5 虐待等が発生した場合の対応方法に関する基本方針

  1. 虐待等が発生した場合は、速やかに市町に報告するとともに、その要因の速やかな 除去に努める。客観的な事実確認の結果、虐待者が職員であった場合は、役職位等の如何を問わず、厳正に対処する。
  2. 緊急性の高い事案の場合は、市区町村及び警察等の協力を仰ぎ、被虐待者の権利と生命の保全を最優先する。

6 虐待等が発生した場合の相談・報告体制

  1. 利用者、利用者家族、職員等から虐待の通報を受けた場合は、別紙の対応手順に従って対応する。
  2. 利用者の居宅において虐待等が発生した場合は、関係機関に報告し、速やかな解決につなげるよう努める。
  3. 当院で虐待等が発生した場合は、各職場長より部門長に報告し、人権擁護委員会を通じて速やかな解決につなげるよう努める。
  4. 当院における障害者虐待は、外部から把握しにくいことが特徴であることを認識し、職員は日頃から虐待の早期発見に努めるとともに、人権擁護委員会及び担当者は職員に対し早期発見に努めるよう促す。
  5. 当院において虐待が疑われる事案が発生した場合は、速やかに人権擁護委員会を開催し、事実関係を確認するとともに、必要に応じて関係機関に通報する。

7 成年後見制度の利用支援

利用者及びその家族に対して、利用可能な権利擁護事業等の情報を提供し、必要に応じて、行政機関等の関係窓口、社会福祉協議会、身元引受人、相談支援事業所等と連携のうえ、成年後見制度の利用を支援する。

8 虐待等に係る苦情解決方法

  1. 虐待等の苦情相談については、苦情受付担当者は受付内容を管理者に報告する。
  2. 苦情相談窓口で受け付けた内容は、個人情報の取扱いに留意し、相談者に不利益が生じないよう細心の注意を払って対処する。
  3. 対応の結果は相談者にも報告する。

9 利用者等に対する指針の閲覧

職員、利用者及びその家族をはじめ、外部の者に対しても、本指針をいつでも閲覧できるよう、事務室等に備え付ける。また、病院ホームページにも公開する。

10 その他虐待防止の推進のために必要な事項

権利擁護及び障害者虐待防止等のための内部研修のほか、外部研修にも積極的に参加し、利用者の権利擁護とサービスの質の向上を目指すよう努める。

附則
この指針は、令和6年4月1日より施行する。