独立行政法人国立病院機構 下志津病院 千葉県四街道市鹿渡934-5

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小児アレルギー膠原病センター

小児アレルギー膠原病センターの概要

アレルギー疾患や膠原病(リウマチ性疾患)は、からだを病原体から守る免疫のしくみの一部がうまく働かないことにより発症すると考えられています。様々な合併症を抱えることも多く、免疫のしくみの理解のもとに、全人的なケアが求められます。
 当センターは小児アレルギー疾患の基幹施設として、また、全国でも数少ない小児科専門医資格をもつリウマチ学会認定専門医・指導医の所属施設として、アレルギー疾患・リウマチ性疾患のお子さんの診療を行います。 アレルギー疾患においては、医師だけでなく小児アレルギーエデュケーターが診療に関わることで、お子さんと保護者の方の生活の質の向上を図ります。
小児リウマチ性疾患、類似する症状を呈する自己炎症性疾患の診療では、高次医療施設と連携し、最新の医療を提供します。また、リウマチ膠原病センターと連携することで、思春期以降の患者さんの内科への移行もスムーズに行うことができます。
 当院では、隣接する四街道特別支援学校と連携を図りながら、治療のため通常の学校での生活が困難な患者さんでも十分な教育を受けられる機会を確保しています。
 日本アレルギー学会、日本リウマチ学会の専門医教育研修施設として、専門医や小児アレルギーエデュケーター資格を持つ看護師、薬剤師、栄養士の育成を行います。医療の発展につながる薬の治験や研究、治療管理ガイドラインの作成への協力も積極的に行っていきます。

対象疾患

*小児アレルギー疾患:気管支喘息(小児喘息、乳児喘息)、食物アレルギー、
 アトピー性皮膚炎、花粉症など
*膠原病:若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、若年性皮膚筋炎、
 シェーグレン症候群、混合性結合組織病、高安動脈炎、川崎病、
 IgA血管炎を含む血管炎症候群など
*自己炎症性疾患:家族性地中海熱、PFAPA症候群など

診療体制

月~金:アレルギー疾患
 木 :膠原病新患

*膠原病患者さんの再来は、受診されたときにご相談いたします。

検査

血液検査、尿検査、呼吸機能検査(フローボリュームカーブ、気道抵抗試験、呼気中NO測定、気道過敏性試験)、皮膚テスト(プリックテスト、パッチテスト)、食物経口負荷試験、レントゲン、超音波検査、CT、MRIなど

受診方法(診療の案内)

紹介状をご用意いただき、地域連携室へご連絡ください。新患外来の予約をお取りします。
初診時はゆっくりお話を伺います。再来日はご相談のうえ決定します。

スタッフ

アレルギー外来:渡邊博子、佐藤一樹、松浦朋子、鈴木修一、伊藤直香、
膠原病外来 :鈴木修一

診療実績、研究実績など

診療実績

アレルギー疾患:喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など多数の患者さんが
        受診されています。
       *食物アレルギーの経口免疫療法、アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法(スギ、
        ダニ)、喘息・アレルギー性鼻炎の皮下免疫療法が可能です。
       *「千葉食物アレルギー親と子の会」の勉強会を行っています。

膠  原  病:全身性エリテマトーデス、大動脈炎症候群、シェーグレン症候群、
        若年性特発性関節炎、皮膚筋炎などの患者さんが受診されています。
       *生物学的製剤の治療が可能です。

研究実績

・平成22-24年度厚生労働科学研究「食物アレルギーにおける経口免疫療法の確立と治癒メカニズムの解明に関する研究」

・平成25-30年厚労科研およびAMED「小児期の食物アレルギーの新しい診断法・管理法の確立と治療法の開発に関する研究」
平成26-28年度 環境再生保全機構委託研究「小児気管支ぜん息の自己管理支援に資する新しい客観的なアドヒアランス評価指標の開発と確立に関する調査研究」

・平成27-28年 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)若年性特発性関節炎を主とした小児リウマチ性疾患の診断基準・重症度分類の標準化とエビデンスに基づいたガイドラインの策定に関する研究
平成29-30年度 環境再生保全機構委託研究「小児ぜん息患者のアドヒアランス向上のための個別化プログラム開発と学校との連携による新しい支援体制構築に関する調査研究」

・平成29-30年厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業(免疫アレルギー疾患等政策研究事業(免疫アレルギー疾患政策研究分野)))「小児期および成人移行期小児リウマチ患者の全国調査データの解析と両者の異同性に基づいた全国的「シームレス」診療ネットワーク構築による標準的治療の均てん化」

・平成29-30年厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業))「自己免疫疾患に関する調査研究」

ガイドライン・マニュアルなど

シェーグレン症候群の診断と治療マニュアル 改訂第3版(日本シェーグレン症候群学会編)
シェーグレン症候群診療ガイドライン2017年板(厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業自己免疫疾患に関する調査研究班 編)

小児期シェーグレン症候群診療の手引き2018(厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)若年性特発性関節炎を主とした小児リウマチ性疾患の診断基準・重症度分類の標準化とエビデンスに基づいたガイドラインの策定に関する研究班 シェーグレン症候群分担班 編)

(小児アレルギー膠原病センター長 鈴木 修一)