独立行政法人国立病院機構 下志津病院 千葉県四街道市鹿渡934-5

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リウマチ膠原病センター

リウマチ膠原病センターの概要

下志津病院では関節リウマチおよび膠原病診療は30年前に始まりました。
1996年には国立病院としてはじめてリウマチ科を標榜し、2012年12月にはリウマチ膠原病センターが設立されています。
このため、リウマチ・膠原病領域の診療経験が豊富であり、多くの患者さんが入院・通院されています。最近、リウマチ膠原病領域の診断・治療の進歩には目覚ましいものがありますが、下志津病院でも最新の知見をとりいれて、患者さんの診療にあたっています。

対象疾患

関節リウマチをはじめとした膠原病です。膠原病は一つの病気の名前ではありません。クレンペラー博士が血管・結合組織にフィブリノーゲン壊死と膠原繊維の変性と増生を認める全身性疾患を「膠原病」と名付けました。
単一臓器の心臓病・腎臓病などと呼ぶことのできる疾患分類に当てはまらない病気で、発熱・関節痛・倦怠感などの全身症状とともに皮膚・多臓器に炎症を起こすものが「膠原病」とされています。
オリジナルのものは全身性エリテマトーデス(SLE)・関節リウマチ(RA)・全身性強皮症(SSc)・多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)・結節性多発動脈炎(PN)・リウマチ熱(RF)の6つです。
RA患者さんが、私はリウマチで膠原病ではないと言ったり、SLE患者さんが、私の病名は膠原病だと言ったりしますが、膠原病という単一の病気があるわけではなく、いくつかの病気のグループが膠原病です。
膠原病は症状として関節や筋肉の痛みなどが出ることが多いことから、①「リウマチ性疾患」の要素、原因としては自己免疫が関与していることから、②「自己免疫性疾患」の要素(リウマチ熱は溶連菌感染が自己免疫を起こす直接の原因であることが今ではわかっていますが、ほかのものはまだ直接の原因はわかっていません)、炎症の起こる場所が結合組織であることから、③「結合織疾患」の要素、以上の3つの要素がある病気です。
この3つの要素を持つ病気はほかにもあり、「膠原病類縁疾患」と言われています。
この中にはシェーグレン症候群(SS) ・混合性結合織病(MCTD) ・悪性関節リウマチ(MRA) ・高安動脈炎(TA)・巨細胞性動脈炎(GCA)・顕微鏡的多発血管炎(MPA)・肉芽腫性多発血管炎(GPA)・好酸球性肉芽腫性多発血管炎(EGPA)・リウマチ性多発筋痛 (PMR) ・成人発症スティル病 (AOSD)・強直性脊椎炎(AS)・乾癬性関節(PsA)などがあります。
ベーチェット病も含まれる場合がありますが、これは原因が自己免疫とは多少違う、自己炎症性疾患です。

診療体制

常勤スタッフ(日本リウマチ学会指導医1名、専門医6人)が入院を担当し、外来はこの7名に非常勤(専門医)1名を加えた8名で新患・再来を担当します。

受診方法

新患時には予約は必要ありませんが、午前11時までに受付を済ませてください。
紹介状の持参が望ましいのですが、ない場合も受付しております。
再来は予約になりますが、各担当医の指示に従ってください。
リウマチ膠原病では受診当日の検査結果をみて診察することが多く、待ち時間が多少長くなりますのでご了承ください。


(リウマチ膠原病センター長 杉山 隆夫)