独立行政法人国立病院機構 下志津病院 千葉県四街道市鹿渡934-5

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2020年4月1日

温州みかん発酵果汁飲料の花粉症症状に対する効果検証試験
ご参加のみなさま

独立行政法人国立病院機構下志津病院
鈴木 修一

メカニズム解析実施のご案内

 前略
 2017年春に当院で実施の標記試験にご参加いただき、誠にありがとうございました。主な解析項目であります「試験飲料による花粉症の症状と免疫細胞の変化」について結果がまとまり、論文として発表することができました。ご協力いただき誠にありがとうございました。概要につきましては文末のリンクをご参照下さい。

 今回、試験開始時にお知らせの通り、さらに詳しい解析を実施することとなりましたので、改めてご案内申し上げます。本案内は郵送や手渡しでも行っておりますので、ご確認下さいますようお願い申し上げます。お手元に届いていない方で、本案内の郵送が必要な方は治験管理室までご連絡ください。

 今回の解析では、発酵果汁飲料に含まれる乳酸菌 L. plantarum YIT 0132による作用のメカニズムを明らかとするために、花粉飛散前から飛散期にかけて、血液中のバイオマーカー1)がどのように変化するのかについて、試験飲料とプラセボ飲料、症状改善の有無、免疫細胞の増減などの観点から比較します。

 具体的には、試験時に採血し保存した検体につきまして、血清サイトカイン2)測定や白血球等のタンパク質合成量を間接的に測定するマイクロアレイ解析3)を行います。解析結果によっては、さらに別のバイオマーカーを測定することもあります。これらの測定結果を、花粉症の症状の記録や免疫細胞の測定値と併せて解析します。

 本解析に用いる血液サンプルなどは取得済みのため、皆様に新たなご負担等は一切発生いたしません。発表の内容や今後の解析につきまして質問等がございましたら、2020年4月24日(金)までに下記問合せ先までご連絡いただけますようお願い申し上げます。お電話での問い合わせも受け付けますが、可能な限り郵送または手渡しにてご案内しておりますFAX用紙にてお問い合わせください。

試験結果:(https://www.yakult.co.jp/news/article.php?num=1324
問合せ先: 国立病院機構下志津病院治験管理室 
FAX:043-422-3516 
TEL:043-422-2511

用語解説
1)バイオマーカー
 特定の病状や体の状態とリンクしている体内の物質であり、血液中に含まれる特定のタンパク質や脂質、糖などを指します。ある物質が多い(または少ない)ことにより、ある疾病である可能性が高いなどの診断にも使われます。例としては、血糖値(糖尿病等)やコレステロール値(脂質異常症等)などがあります。

2)サイトカイン
 細胞から分泌される低分子のタンパク質であり、血液等を介して他の細胞へ受け渡され、受け取った細胞の炎症性物質の産生や免疫の活性化など体の様々な反応に関与する物質です。アレルギーではこのバランスが乱れて免疫が過敏になっていると考えられます。

3)マイクロアレイ解析
 既知のヒトの遺伝子(DNA)を貼り付けた基板の上に、調べたい組織などから抽出したRNA(はたらいている遺伝子)をDNAに変換したもの(cDNA)を振りかけ、基板上の遺伝子と一致する(くっつく)cDNA量を調べることで、調べたい組織でどの遺伝子が多くはたらいているかを網羅的に検出することができる方法です。サイトカインなどのタンパク質合成量ともリンクしており、他の測定法よりも高感度に測定できることから、測定困難なタンパク質についても測定することができます。

以上